アルツハイマー病の新薬治療
脳に蓄積された異常蛋白を減少させアルツハイマー病の進行を抑制します。これらの新薬(抗体治療薬)は2種類(レケンビ、ケサンラ)あり、レケンビはより初期の方、ケサンラはやや進行した方に適用があります。いずれも既存薬に比べ高い効果がありますが、軽度認知障害(MCI)から認知症初期の方までが対象で、進行してしまうとこの治療は受けられません。
投与は点滴で、最初の6カ月は専門病院に通院が必要です。これは、抗体治療薬の副作用は投与開始から6カ月以内に起きるため、その期間は専門治療ができる病院で経過を見るためです。幸いなことに日本人の副作用は当初の予想よりもずっと少数です。アルツハイマー病が深刻な進行性疾患であることを考えると、初期の方がこの治療を検討する価値は高いです。当院では、患者さまを専門病院(国立病院機構東京病院、東京都健康長寿医療センター、順天堂大学練馬病院のレケンビ・ケサンラ外来)にご紹介し、新薬治療にお繋ぎしています。新薬治療をご希望の方はご受診のうえ、医師にご相談ください。